尿道カルンケルの原因と治療法

尿道カルンケルは、女性の外尿道口(尿が体外に排泄される出口)周辺に生じるピンク色~暗赤色の腫瘤(できもの)です。主に高齢者に多く生じます。

腫瘤の中には血管が走っている事も多いため、軽い刺激によって出血することがあります。また尿道(尿が通る管)をふさぐため、頻尿や排尿時痛、膀胱炎などの原因となる事もあります。

腫瘤自体は良性のもので特に悪さをするものではありませんが、何らかの症状を認める場合は治療が行われる事もあります。

ここでは尿道カルンケルという疾患について、その原因や症状、治療法などを詳しく説明させて頂きます。

1.尿道カルンケルとは

尿道カルンケルとはどのような疾患なのでしょうか。まずはこの疾患の特徴について簡単に紹介します。

尿道カルンケルは女性の外尿道口に生じる良性の腫瘤(できもの)です。中年以降に認められるようになり、高齢者に多く認められます。稀に若い方にも生じますが頻度は多くはありません。

この腫瘤自体は悪さをするものではありません。そのため尿道カルンケルが出来ても何も問題はきたさない事もあります。しかし外尿道口にできものが出来るため、これが尿道口をふさいでしまい、頻尿や残尿感、排尿時痛などを引き起こしたり、膀胱炎の原因となる事があります。

また、尿道カルンケルは軽微な刺激で出血しやすく、これにより下着に少量の血液が付着する事があります。出血に気付くとびっくりしてしまい、「何か悪性のものがあるのではないか」と泌尿器科や産婦人科を受診される方もいらっしゃいます。

しかし尿道カルンケルは良性のできものであり、癌(がん)などの悪性腫瘍とは異なります。何らかの原因で擦れて出血しただけですので大きな心配はいらず、出血も自然と止まる事がほとんどです。

尿道カルンケルはこのように悪いものではないため、見つかっても何も症状がなければそのまま放置していて問題ありません。

しかし出血や膀胱炎を繰り返したり、排尿時痛や頻尿などで本人の生活に支障をきたすような時は治療が行われる事もあります。

治療は、

  • 何も症状がなければ経過観察
  • 出血などの軽微な症状のみであれば軟膏等の塗布
  • 頻回の出血や排尿時痛などで生活に支障をきたすようであれば手術

などが行なわれます。

2.尿道カルンケルの原因

尿道カルンケルはどのような原因で生じるのでしょうか。

尿道カルンケルの原因ははっきりしておらず、腫瘍の性状も様々です。

尿道カルンケルは外尿道口(尿が体外に出る穴)から身体の内側に向かって出来ますが、おそらく同部での炎症が繰り返された結果生じるのではないかと考えられています。

炎症の原因としては排尿を我慢する事で外尿道口が刺激されたりする事、外尿道口から細菌が侵入する事などが一因ではないかと考えられます。女性は男性と比べると尿道が短いため、このようなリスクが男性よりも高いのです。

また尿道カルンケルは更年期や閉経後に多くなるため、女性ホルモンの欠乏も一因ではないかという意見もあります。

尿道カルンケルの性状も1つではなく、

  • 粘膜上皮が乳頭状に増殖する事で生じる上皮型(乳頭型)
  • 粘膜下層の血管拡張および浮腫によって生じる血管型
  • 粘膜仮想の炎症細胞浸潤によって生じる炎症型
  • 上記が混ざって生じる混合型

などに分けられます。

【尿道カルンケルが生じる原因】

・外尿道口が繰り返し刺激された結果生じると考えられている

3.尿道カルンケルの症状

尿道カルンケルではどのような症状が認められるのでしょうか。

まず生じる部位としては尿道の中に生じる事もありますが、多くは外尿道口(尿道の出口で尿が体外に排出される部位)に生じます。

位置的には後壁(背中側)に生じるのが多く、大きさとしては小豆大(5mm程度)になりますが、徐々に増大していく事もあります。

色調としてはピンク色や赤色、暗赤色であり、尿道にぷっくりとした赤いできものが見えるためびっくりされる方もいらっしゃいます。

若年者に生じる事もありますが、中高年の女性に多く、年齢が高くなればなるほど生じる率も高くなります。

尿道カルンケル自体は何も症状をきたしませんが、大きくなると次第に尿道口をふさぐようになります。

すると、

  • 頻尿
  • 残尿感
  • 排尿時痛

などが生じる事もあります。

また尿の出口をふさいでしまう事により膀胱・尿道で細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎をおこしやすくなる事もあります。

尿道カルンケルは軽い刺激で出血しやすいため、尿道カルンケルがあると気付かないうちに尿道から出血する事もあります。

【尿道カルンケルの症状】

・5mmほどの赤いできものが外尿道口に生じる
・特に後壁(背中側)に出来やすい
・尿道カルンケル自体は特に症状はきたさない
・尿道をふさぐ事で排尿時痛、頻尿、残尿感をきたす事がある
・尿道をふさぐ事で膀胱炎になりやすくなる事がある
・軽い刺激で出血しやすく、気付かないうちに尿道から出血している事がある

4.尿道カルンケルの治療法

尿道カルンケルはどのように治療をすればいいのでしょうか。

まず尿道カルンケルは腫瘤自体は何も悪さをするものではありません。そのため尿道カルンケルが見つかっても、何も症状がないのであれば、そのまま様子をみていてもかまいません。

ただし尿道カルンケルは少しずつ大きくなってくる事があります。大きくなればなるほど何らかの症状が認められる可能性が高いので、自分に尿道カルンケルがあるという事は意識しておくようにしましょう。

尿道の違和感や軽度の出血などがある場合は、軟膏を塗布して様子を見る事があります。

軟膏はステロイド外用剤や抗生剤外用剤が用いられます。尿道カルンケル自体を治すというよりは出血や違和感などの症状を落ち着かせる効果が期待できます。ちなみにステロイドは炎症を抑える作用がありますので、これにより尿道カルンケルを多少小さくさせる作用も期待できます。

具体的には、

  • リンデロンVG(ステロイド+抗生剤)
  • リドメックス(ステロイド)
  • ゲンタシン(抗生剤)

などが用いられます。

また尿道カルンケルがある程度大きく、取ってしまった方が良いと考えられる場合は、電気メスなどで焼灼・切除が行われる事もあります。また大きい尿道カルンケルに対しては外科的切除術を行うこともあります。

【尿道カルンケルの治療法】

・悪性のできものではないため、特に症状がなければ治療しなくても良い
・ステロイドや抗生剤の外用剤で症状を軽減させる事もある
・ある程度大きい場合は電気メスで焼灼・切除したり、手術で摘出する事もある

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする