老人性白斑の原因と治療法

老人性白斑(senile leukoderma)は白斑症の一種で、年を取るにつれて皮膚の色が部分的に白く抜けてしまう皮膚疾患です。

皮膚がところどころ白く抜けている事に気付き、びっくりして病院を受診される方もいらっしゃいますが、これは老化現象の1つであり特に身体に害を来たすものではありません。

老人性白斑は、どのような原因で生じ、どのように症状が出現し、どのような対処すればいいのでしょうか。

今日は老人性白斑についてお話させていただきます。

1.老人性白斑とは

老人性白斑(senile leukoderma)は、皮膚の色が部分的に白く抜けてしまう「白斑症」の1つです。「特発性滴状色素減少症(idiopathic guttate hypomelanosis)」と呼ばれる事もあります。

「老人性」という名前から分かるように老人に多く、年を取るにつれて出現しやすくなる事が知られています。

とは言っても老人にしか認められないわけではありません。早い方だと20~30代で認められる事もあり、ここから考えると「老人性」という名称は正確に病態を表していません。「成人性白斑症」と言った方がいいかもしれませんね。

年を取るにつれて出来やすくなり、また数も多くなる傾向があります。高齢になるとむしろ老人性白斑が出来ていない方が珍しく、多くの方に認められる皮膚所見になります。

体幹(胸やお腹・背中など)や四肢(手足)の至るところに出現しますが、大きさは3~4mm程度と大きくはなく、そこまで目立つものではありません。

形は様々で、円形の事もあれば不整な形をしている事もあります。境界は明瞭で色が抜けている部位と正常な部位の境界がはっきりと確認できます。

2.老人性白斑が出来る原因は?

老人性白斑はどのような原因で生じるのでしょうか。

老人性白斑が出来る原因は、「表皮のメラニンの減少」になります。

メラニンはメラノサイト(色素細胞)という細胞から作られる黒色の色素で、紫外線を吸収することで身体を紫外線のダメージから守る役割があります。

メラニンは黒色であり、このメラニンの量によって私たちの皮膚の色というのは変わってきます。

例えば、黒色人種の方の肌が黒いのはメラニンが多いからで、白色人種の方の肌が白いのはメラニンが少ないからです。そして私たち黄色人種は、黒色人種の方と白色人種の方のちょうど間くらいのメラニンが皮膚に存在しています。

老人性白斑では、白斑が生じている部位のメラニンが少なくなっています。黒色の色素が少なくなっている部位の皮膚が白く抜けたように見えるのです。

ではなぜ老人性白斑症では、メラニンの産生が局所的に低下してしまうのでしょうか。

その原因は明確には解明されていませんが、「老化現象」の1つだと考えられています。加齢につれてメラノサイト(色素細胞)も老化していくため、メラニンを作る力が低下していきます。ある部位ではメラノサイトの寿命が来てメラニンを作れなくなってしまうのと、その部位が白斑になってしまうというわけです。

3.老人性白斑に症状はあるのか

老人性白斑では何か困るような症状は認められるのでしょうか。

老人性白斑は老化現象の1つですので、特に困るような症状はありません。

皮膚のところどころの色が白く抜けているため、見た目的には少し気になるかもしれませんが、何も害はありません。当然、人に感染するような皮膚病でもありません。

ちなみにメラニンは、皮膚を紫外線ダメージから守る役割がありますが、メラニン産生が低下している老人性白斑では、皮膚がんの頻度が増えたりはしないのでしょうか。

実際メラニンの少ない白色人種の方は、メラニンが多い黒色人種の方と比べて皮膚がんになりやすい事が知られています。

老人性白斑によって、もし皮膚がんのリスクが増えるのであればこれは困った事でしょう。

しかし、これもほとんど心配はいりません。

メラニンの数が減っている以上、確かに白斑になっている部位の紫外線に対する防御力は低下しています。しかし老人性白斑はわずか3~4mmの範囲のメラニン量低下であり、皮膚全体として見ればわずかなメラニン量の減少に過ぎません。

また体幹や四肢は洋服で隠れるため紫外線のダメージを受けにくい事、年を取るにつれて日光を浴びる機会が少なくなる事などを考えると、老人性白斑によって皮膚がんのリスクが上昇する事はほとんど無いと考えて良いでしょう。

4.老人性白斑は治療できるのか

老人性白斑は治療する必要があるのでしょうか。また治療する事は出来るのでしょうか。

老人性白斑は、老化現象の1つであるため特に治療する必要はありません。

何も症状もありませんし放置していて害があるものでもありませんので、老人性白斑に気付いてもそのまま様子をみていて問題ありません。

見た目的に気になるという方も稀にいらっしゃいますが、数mm程度の小さな白斑ですので、あまり気にならないという方がほとんどです。

どうしても気になるという方は、白斑部に化粧品を塗るという対処法が取られます。化粧によって白斑部を正常皮膚部と同じ色に塗るという方法で十分で、何かお薬を使ったり皮膚科で治療を受けたりする必要はありません。

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