雀卵斑が思春期に生じやすいのは何故?その治療法とは?

雀卵斑(じゃくらんはん:Ephelides)は、主に思春期の子に多く認められる褐色の皮疹です。このように難しく書くとイメージが沸きにくいですが、これはいわゆる「そばかす」の事です。

雀卵斑は病的なものではありませんが、美容的に気にされる方も多くいらっしゃいます。特に好発年齢の思春期は外見が気になりはじめる年頃ですので、治療を希望される方も少なくありません。

この雀卵斑はどうして生じるのでしょうか。また雀卵斑を予防・治療する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは雀卵斑について、その原因や予防法・治療法をお話させていただきます。

1.雀卵斑とは

まずは雀卵斑について、その全体像をざっくりと説明していきます。

雀卵斑(Ephelides)は、皮膚に数mmほどの茶褐色の皮疹がたくさんできてしまう疾患です。

いわゆる「そばかす」と呼ばれるもので、好発部位としては露光部になります。

露光部というのは「光(日光)」が当たる部位という意味で、

  • 顔面(頬)
  • 頸部
  • 前腕

などが該当します。

日光に当たる可能性がもっとも高いのは「顔」ですので、顔が一番生じやすいのですが、雀卵斑は顔に限らず、首や腕など、日光が当たる部位であればどこでも発症する可能性はあります。

その原因は、日光によってメラノサイト(色素細胞)が活性化する事だと考えられています。

メラノサイトは、私たちの皮膚の表皮に存在する細胞で、皮膚が紫外線を浴びるとメラニンという色素を産生するはたらきがあります。メラニンは黒色の色素で、紫外線が身体の奥にまで届かないようにブロックする役割があります。

紫外線は身体にとって有害な波長であるため、もし内臓にまで届いてしまうと内臓がダメージを受けてしまいます。それを防いでくれるのがメラニンなのです。

日差しが強い地域に住んでいる人種の方々の肌は黒いですが、これは表皮にメラニンがたくさん産生されているからです。反対に日光が弱い地域に住んでいる人種の方々は、紫外線をあまり浴びないためメラニンを産生する必要が少なく、皮膚は白くなります。

このようにメラノサイトは、私たちの身体を守るために紫外線の量に応じてメラニンを産生するというはたらきをもっています。

これはとても大切なはたらきではあるのですが、若い方はこのメラノサイトのはたらきが良すぎてしまい、日光を浴びた時に必要量以上のメラニンを産生してしまう事があります。

これが雀卵斑の正体です。

雀卵斑が若い方に多いのは、若い方のメラノサイトは元気で活発にメラニンを産生する傾向があるためです。

また雀卵斑は夏場に増悪しやすいのですが、これは夏場は日差しが強いため、メラノサイトが活性化されやすいためです。

雀卵斑は、見た目的には気にされる方も多いですが、身体に何か害を来たすものではありません。そもそも、身体を紫外線から守るメラニンが雀卵斑の正体なのですから、有害なものではないのです。

2.雀卵斑の原因は?

雀卵斑はどのような原因で生じるのでしょうか。

雀卵斑が生じる原因は、メラノサイトの活性が高まってしまい、通常に産生する以上のメラニンが作られてしまう事です。

メラノサイトの活性が高まってしまう要因としては、

  • 年齢(若いとメラノサイトの活性は高い)
  • 日差し(紫外線が強いとメラノサイトは活性化する)
  • 遺伝(雀卵斑は遺伝性も認める)

などがあります。

まず、雀卵斑は思春期にもっとも発症しやすい疾患ですが、これはこのくらいの年代の方の細胞は若々しく元気であるためです。メラノサイトの活性も高いため、メラニンを過剰に産生してしまいやすい傾向があります。

また雀卵斑の正体は紫外線をブロックする役割を持つメラニンです。紫外線が強い環境にいるとメラノサイトはメラニンを産生しやすいため、雀卵斑も発症しやすくなります。

具体的には夏場や日差しの強い地域での生活などが原因となりえます。

雀卵斑には遺伝性もあります。元々メラノサイトの活性が高い家系がいるという事です。雀卵斑に家族内発生が多い事は昔から知られており、研究によるとメラノコルチン1受容体(MC1R)の遺伝子多型が発症に関係していると報告されています。

このような原因が合わさり、雀卵斑は発症するのです。

【雀卵斑が生じる原因】

・思春期にもっとも発症しやすく、年齢は原因の1つである
・夏場や日差しの強い地域での生活で生じやすく、紫外線量も発症の原因になる
・家族内発症が多い事が知られており、遺伝性も原因である

3.雀卵斑にはどのような症状があるのか

雀卵斑にはどのような症状があるのでしょうか。何か困るような症状は認められるのでしょうか。

結論から言えば、雀卵斑では特に有害な症状はきたしません。唯一の症状は「皮膚に小さな褐色の皮疹がたくさん出来る」という美容的な症状です。

ちなみにこの皮疹は露光部に生じやすい事が知られています。これは「日光が当たりやすい部位」という事です。

具体的に言うと

  • 顔面(頬)
  • 頸部
  • 前腕

などが好発部位になります。

雀卵斑は紫外線をブロックするメラニンの産生過剰が正体ですので、紫外線が多く当たる部位に生じやすいのです。

これらの部位は目立つ部位で、また雀卵斑は思春期という外見が気になる時期に後発しますので、雀卵斑による皮疹で悩む方は少なくありません。

特に顔(頬)に生じる雀卵斑は、周囲からからかわれたり、指摘されたりする事でイヤな想いをしている方もいらっしゃいます。

しかしこの皮疹は、本来は紫外線をブロックするメラニンによって生じているものであり、有害なものではありません。痛みやかゆみなどの症状が生じたり、癌化したりなどといった事はありませんし、当然、他者にうつるようなものでもありません。

【雀卵斑の症状】

・皮膚に褐色の小さな皮疹がたくさんできるが、それ以外に何らかの症状が生じる事はない
・皮疹は露光部(顔、頸部、前腕など)に生じやすい
・紫外線をブロックする役割を持つメラニンが正体であり、有害なものではない

4.雀卵斑の予防法・治療法

雀卵斑はどのように予防・治療すれば良いのでしょうか。

まず予防法ですが、雀卵斑の予防は「紫外線を出来るだけ浴びない」事に尽きます。

雀卵斑の原因である

  • 年齢(若いとメラノサイトの活性は高い)
  • 日差し(紫外線が強いとメラノサイトは活性化する)
  • 遺伝(雀卵斑は遺伝性も認める)

のうち、「年齢」と「遺伝」は努力しても避ける事は出来ません。しかし「日差し」だけは努力によって避ける事が可能です。

夏場は出来るだけ直射日光に当たらない。日差しが強い場所に行くときは帽子やサンバイザーなどを使う、サンスクリーン剤(いわゆる日焼け止め)をしっかりと塗る、といった方法が予防として有効です。

次に雀卵斑が発症してしまった時の治療法ですが、基本的には積極的な治療は行われません。

というのも雀卵斑は何か有害な症状を来たすものではなく、また思春期を過ぎればメラノサイトの活性も正常化して自然を治っていく事が多いためです。

そのため基本的な治療法というのは、そのまま自然と治っていくのを待つ、という事になります。

しかし雀卵斑によって強い精神的苦痛がある場合、どうしても消したいと希望される場合は治療が行われる事があります。

治療法としては、

  • 美白剤の塗布
  • レーザー治療

などが行われます。

雀卵斑の治療には、美白剤と呼ばれるメラニンの産生を抑えるお薬が使われる事があります。

代表的なものは「ハイドロキノン」と呼ばれる塗り薬で、これはチロシナーゼというメラニンを作るために必要な酵素のはたらきをブロックするはたらきを持ちます。

ハイドロキノンによってメラニンが作れなくなると、いくらメラノサイトが活性化してもメラニンが産生されないため、ハイドロキノンを塗った部位ではメラニンの沈着が生じにくくなります。

ただしハイドロキノンは新しいメラニンは出来にくくなりますが、すでに沈着してしまったメラニンを消す作用はないため、すでに出来てしまった雀卵斑には十分な効果は期待できません。

また高濃度のハイドロキノンは発がん性が報告されていたりと副作用の危険もあるため、必ず医師の指導のもとで、使用するようにしましょう。

レーザー治療(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)は、レーザー光を当てることで特定の色調の細胞を破壊する治療法です。

レーザー光は様々な波長のものがあり、波長によって吸収されやすい色調が異なります。

メラニンに吸収されやすい波長のレーザー光を雀卵斑に当てると、レーザー光は雀卵斑のメラニン色素に吸収されます。そしてメラニンに吸収されたレーザー光の光エネルギーはそこで熱変換され、メラノサイトを破壊します。

このようにレーザー治療はレーザーがあたった部位の細胞すべてを破壊するのではなく、レーザーがあたった部位のうち、そのレーザーの波長を吸収しやすい細胞だけを破壊する事が出来ます。

これによって雀卵斑を治療する事が出来るのです。

実際はターゲットとするメラノサイトが皮膚のどのくらいの深さに存在しているのか、大きさはどのくらいなのかによって、用いる波長やレーザーを当てる時間は異なってきます。

美白剤、レーザー治療とも有効な治療法ではありますが、いずれも保険適応はなく、「自費」での治療となります。

【雀卵斑の予防法・治療法】

・雀卵斑は紫外線が一因であるため、出来る限り日光を避ける事が大切
・予防には帽子やサンバイザー、サンスクリーン剤(日焼け止め)も有効
・雀卵斑は思春期を超えれば自然と治っていくため、基本的にはそのまま様子をみる
・治療法としては美白剤の塗布やレーザー治療などが有効である

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