亀頭の皮膚がポロポロと剝がれてしまう「カンジダ性亀頭包皮炎」とは

カンジダ性亀頭包皮炎(かんじだせいきとうほうひえん:Candida Balanoposthitis)は、真菌感染症の一種です。

カンジダという真菌(いわゆるカビ)が亀頭(男性のペニスの先)や包皮で繁殖してしまう疾患で、これにより同部のかゆみや痛み、発赤や表皮剥離などが生じます。

このようなデリケートな部位に生じる疾患であるため、カンジダ性亀頭包皮炎はなかなか周囲に相談しずらく、また病院受診もためらわれがちで放置されやすい傾向があります。

しかし菌の感染症ですからいたずらに治療を遅らせる事なく、適切に治療する事が望まれます。

ここではカンジダ性亀頭包皮炎という疾患について、その原因や症状、治療法などを詳しく説明させて頂きます。

1.カンジダ性亀頭包皮炎とは

カンジダ性亀頭包皮炎とはどのような疾患なのでしょうか。

カンジダ性亀頭包皮炎は、「カンジダ」という真菌が亀頭・包皮に感染してしまう疾患です。

ではカンジダとは何でしょうか。

カンジダは真菌の一種です。真菌とはいわゆる「カビ」の事です。

カビというとイメージがわきにくいかもしれませんが、例えば水虫も「白癬菌」というカビが皮膚に感染する事で生じます。カンジダも水虫と同じくカビの感染症なのです。

とはいっても白癬菌と異なり、カンジダは元々私たちの身体に住み着いている「常在菌」になります。私たちは皆、普段から口腔内(口の中)や腸管内、膣内などにカンジダ菌を持っているのです。

【常在菌(じょうざいきん)】
健康な人の身体に普段から存在している菌。常在菌は、普段は特に身体に悪さをする事はないが、身体が弱った時(免疫力低下など)に増殖して悪さをする事がある。

カンジダは常在菌ですので、普段は身体に悪さをする事はありません。

しかし身体が弱っている時や、カンジダが異常に増殖してしまった時などでは悪さをする事があります。

カンジダ性亀頭包皮炎は、普段は身体に悪さをする事がないカンジダ菌が陰部で異常に増殖してしまう事で、同部にかゆみや痛み、発赤や表皮剥離などを引き起こす疾患です。

ペニスに生じる異常である事から「性感染症」だと誤解される方が多いのですが、カンジダ性亀頭包皮炎は、性行為のみが原因ではありません。

もちろん、性行為によって女性の膣内に住んでいたカンジダがペニスに付着してしまい、そこで増殖して発症する事もありますが、健常な女性の膣内にもカンジダは存在します。

またそれ以外にも、

  • 陰部を過剰に洗いすぎる
  • ストレスや疲労
  • 免疫力が低下する疾患を持っている(糖尿病、エイズなど)
  • 長期間入浴していない

など、カンジダが繁殖しやすい状況も原因となりえます。

治療としては、カンジダは真菌ですので、真菌をやっつける作用を持つ「抗真菌薬」が用いられます。

2.カンジダ性亀頭包皮炎の原因

カンジダ性亀頭包皮炎はどのような原因で生じるのでしょうか。

カンジダ性亀頭包皮炎は、カンジダという真菌が亀頭・包皮で増殖して皮膚を荒らす事が原因です。

カンジダは元々私たちの身体に普段から存在する常在菌です。そのためある程度のカンジダが健常な方の亀頭・包皮についてもそれだけで亀頭包皮炎を発症する事はありません。

カンジダ性亀頭包皮炎を発症する原因は2つあります。

  • カンジダが増殖しやすい環境にある
  • 身体の抵抗力が弱っている

1つ目は、カンジダが増殖しやすい環境にある場合です。いくら常在菌といえども異常な数に増殖すれば身体に悪さをするようになります。

カンジダが増殖しやすい環境を作る原因としては、

  • 不衛生(長期間入浴をしていないなど)
  • 陰部の洗いすぎ
  • 性行為

などが挙げられます。

衛生状態が悪いと菌が繁殖しやすくなるのはイメージしやすいでしょう。しかしカンジダは陰部を洗いすぎても発症してしまう事があります。これは何故でしょうか。

1つは必要以上に陰部を洗うと、陰部が傷付いてしまうからです。傷付くと皮膚表面のバリア機能が失われるため、そこで菌が繁殖しやすくなります。

またボディーソープは身体の細菌は落とす事ができますが、真菌を落とす事は出来ません。そのため過剰に洗うと細菌だけを減らすため、常在菌のバランスを崩してしまう事になるのです。こうなると生き残った真菌(カンジダ)はどんどん増殖してしまいます。

性行為でもカンジダが増殖してしまう事があります。女性の膣内にはカンジダが生息している事が多いため、性行為によって感染してしまいやすいのです。更に性行為によって陰部に小さな傷が入ってしまうと、それもカンジダが増殖しやすい状態を作ってしまいます。

また2つ目は身体の抵抗力が弱っている状態です。カンジダの量が普通であっても、身体が菌に抵抗する力が弱まっていれば菌は悪さをしやすくなります。

身体の抵抗力が弱ってしまう原因としては、

  • ストレスや疲労
  • 免疫力が低下する基礎疾患(糖尿病、エイズなど)

などが挙げられます。

このような状態では、身体がばい菌に抵抗する力(免疫力)が低下しているため、カンジダの量が少なくてもカンジダが身体に悪さをしやすくなってしまうのです。

【カンジダ性亀頭包皮炎が生じる原因】

・カンジダが亀頭・包皮で悪さをしやすい状況になると発症する
・カンジダが増殖する環境(長期間入浴していない、陰部の洗いすぎ、性行為など)
・免疫力の低下(糖尿病、エイズ、ストレス、疲労など)

3.カンジダ性亀頭包皮炎の症状

カンジダ性亀頭包皮炎ではどのような症状が認められるのでしょうか。

カンジダ性亀頭包皮炎は亀頭や包皮でカンジダ菌が増殖する事で、皮膚に炎症が生じます。

代表的な症状としては。

  • かゆみ
  • 発赤(赤み)
  • 痛み
  • 表皮剥離

などが挙げられます。

この中でカンジダ性亀頭包皮炎に特徴的なのは表皮剥離です。亀頭の皮膚の皮がポロポロを剥けるようになるため、患者さんは驚きます。正常の亀頭ではこのような変化が生じる事は少ないため、このような変化はカンジダ性亀頭包皮炎を疑う症状の1つになります。

【カンジダ性亀頭包皮炎の症状】

・亀頭や包皮のかゆみ、発赤、痛み表皮剥離などが生じる
・特に表皮剥離が特徴的で、亀頭の皮膚がポロポロと剥がれ落ちる

4.カンジダ性亀頭包皮炎の治療法

カンジダ性亀頭包皮炎は、どのように治療すれば良いのでしょうか。

カンジダ性亀頭包皮炎はカンジダによる感染症ですので、カンジダをやっつける治療が行われます。カンジダは真菌ですので、真菌をやっつける「抗真菌薬」を亀頭・包皮に塗布する事で治療する事が出来ます。

抗真菌薬にもたくさんの種類がありますが、代表的なものをいくつか挙げると、

  • ラミシール(一般名:テルビナフィン)
  • ルリコン(一般名:ルリコナゾール)
  • ニゾラール(一般名:ケトコナゾール)

などがあります。

またカンジダが増殖しやすいような環境を作っている方、免疫力を低下させやすい生活をしている方はそれを改善させる工夫も併せて行う事が望まれます。

具体的には、

  • 定期的に入浴する
  • 陰部を過剰に洗いすぎない
  • ストレス解消を定期的に行う
  • 疲労を溜め込まないようにしっかり寝る

などが挙げられるでしょう。

また、糖尿病などの基礎疾患の増悪によって身体の抵抗力が低下しているような場合は、糖尿病の治療もしっかりと行う事も重要です。

【カンジダ性亀頭包皮炎の治療法】

・抗真菌薬の外用剤を亀頭・包皮に塗る
・カンジダが増殖しやすい環境を作っている方はそれの改善を
・身体の抵抗力が低下する生活を送っている方はそれの改善を
・糖尿病などの悪化で身体の免疫力が下がっている方は糖尿病の治療もしっかり行う

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