足がつりで悩んでいる方必見!こむら返りを抑える有効な予防法とは

こむら返り(calf cramp)は筋肉のけいれんによって、ふくらはぎ(腓腹筋)に強い痛みが生じる疾患です。

非常に強い痛みが突然に生じ、これはとても苦痛を感じます。

こむら返りが続くと、生活の質も大きく障害されるため「何とか予防できないでしょうか」と相談される事も少なくありません。

こむら返りは予防する事が出来るのでしょうか。また有効な予防法にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここではこむら返りの予防法について詳しく説明させていただきます。

1.こむら返りとは

こむら返り(calf cramp)は、正確には「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」という疾患になります。

その名の通り、腓腹筋という筋肉(いわゆるふくらはぎ)がけいれんしてしまう疾患です。

こむら返りでは非常に強い痛みが生じますが、これは腓腹筋(いわゆる「ふくらはぎ」)がけいれんする事で筋肉が強く収縮するためです。

強い収縮によってふくらはぎの筋肉の一部は破壊されるため、けいれんがが治まってもにぶい痛みは数日ほど続きます。

こむら返りは通常、発症する前にふくらはぎの違和感やピクつきなどの前兆が生じます。そのため何度が繰り返すと「こむら返りが来る!」と分かるようになります。しかし前兆が生じてからすぐにけいれんが始まるため、通常は前兆を感じてからこむら返りを回避する事は困難です。

つまりこむら返りは発症しそうになってから慌てても遅く、発症をさせないような予防が大切になります。

2.こむら返りの予防法は原因によって異なる

このコラムではこむら返りの予防法についてお話していきますが、こむら返りは様々な原因で生じる疾患です。

そのため、それぞれの原因に応じて有効な予防法というのは当然、異なってきます。

こむら返りの予防で重要な事は、自分のこむら返りがどのような原因で生じているのかを出来る限り特定する事になります。

こむら返りが生じる原因について詳しくは、「こむら返りはどのような原因で生じるのか」で説明していますが、このように様々な原因があり、それぞれに応じた有効な予防策があるのです。

例えば「脱水」が原因でこむら返りが生じているのであれば、水分を取る事が何よりも有効な予防になります。あるいは冷えが原因でこむら返りが生じているのであれば足を暖める事がもっとも有効な予防策になります。

こむら返りの有効な予防策を知りたい場合は、このようにまずは自分に生じているこむら返りがどのような原因で発症しているのかを特定するようにしましょう。

中には自分では原因がよく分からない事もあります。そのような時は病院で診察・検査を受ける事をお勧めします。

脱水や電解質の崩れなどは血液検査である程度判断できますし、医師にお話をすればもっとも疑わしい原因と特定してくれるでしょう。

3.こむら返りを予防する方法

前項でお話ししたようにこむら返りの予防策は、こむら返りが生じている原因によって異なってきます。

しかし一般的にこむら返りを生じにくくさせるために心がけた方が良い予防策もあります。ここでは、そのような共通する予防策を紹介させていただきます。

Ⅰ.足を暖める

こむら返りが生じる原因の1つに、ふくらはぎの冷えによる血行不良があります。

身体が冷えて血管が収縮してしまうと、手足の末端に十分な血液が届かなくなります。すると末端の筋肉は正常な活動を行うエネルギーが足りなくなるため、けいれんが発症してしまうのです。

という事は、ふくらはの冷えを予防できればこむら返りも起こりにくくなるという事になります。

季節に合った、寒くない服装を心がけましょう。こむら返りにはレッグウォーマーなど、足を局所的に暖めてくれる衣服を装着する事も有効です。

また冬などの寒い季節ではエアコンなどを上手に使って、身体が冷えないようにしましょう。

注意点として暖房によって部屋が乾燥してしまうと、冷えは改善しても脱水が進行してしまいますので、加湿器なども併用すると効果的です。

ゆっくりとお風呂につかり、足を暖める事も効果的です。普段シャワーしか浴びずに入浴はしないという方は、入浴してしっかりと身体を温める習慣を付けてみましょう。

Ⅱ.水分を取る

脱水(水分が足りない状態)もこむら返りを起こしやすくします。

個人差もありますが、成人が1日に必要な水分量は1500ml以上と言われています。毎日このくらいの水分量を摂取できているか確認してみましょう。

もし十分な水分を摂取できていなさそうであれば1日を通して脱水にならないようにこまめに水分補給をするようにしましょう。

Ⅲ.ミネラルを摂取する

体内のミネラルのバランスが崩れても、こむら返りは起こりやすくなります。

ミネラルは食事から補う事が出来ますので、食生活がミネラルの少ないものになっていないかを見直してみてください。

カリウムを多く含む野菜や果物、カルシウムを多く含む小魚、マグネシウムを多く含むナッツや藻類(わかめ、こんぶなど)をしっかりと摂取しましょう。

また適度な塩分(ナトリウム)も重要です。塩分を摂取しすぎると血圧が上がってしまいますが、ある程度の塩分は身体の調子を整えるために必要です。

Ⅳ.足のストレッチ・マッサージ

眠る前には10分ほどふくらはぎを伸ばしましょう。

こむら返りはふくらはぎの筋肉の強い収縮ですので、反対に同部の筋肉を伸ばしてあげる事で異常な収縮をさせにくくすることができます。また筋肉に適度な刺激を与える事で同部の血流が改善し、これもこむら返りの予防になります。

ストレッチで伸ばすほか、自分で手で適度にもみほぐすマッサージも有効です。

特に激しい運動をした後などは、筋肉がけいれんしやすいため、ストレッチやマッサージを入念に行うようにしましょう。

Ⅴ.適度な運動

筋肉は使わないと弱っていきます。そして弱った筋肉はけいれんしやすくなります。

高齢者にこむら返りが生じやすいのは、高齢者は筋肉を使わなくなるため、筋肉が弱っている事も一因です。

そのため、適度な運動をこころがける事はこむら返りの予防のためにも有効です。

運動をして適度に筋肉を刺激すれば、筋肉が発達してけいれんしにくくなるほか、血流も改善しますので、これもこむら返りの予防に効果があります。

出来れば毎日、最低でも週2~3日は運動の習慣を取り入れましょう。運動は激しいものである必要はありません。ゆっくりとしたジョギングやスイミング、サイクリングなどでも十分です。

あまり筋肉を酷使しすぎてもこむら返りは起こりやすくなりますので、「適度に」運動をする事が大切です。

Ⅵ.お薬を利用する

上記の生活習慣の工夫を行ってもこむら返りが出てしまう場合は、お薬でこむら返りを抑えるという方法もあります。

こむら返りを抑えるお薬やサプリメントは多く発売されています。ミネラルをおぎなう事でこむら返りの発症を抑えるようなものもありますが、医師として一番有効だと感じるのはやはり「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」です。

芍薬甘草湯は、筋肉細胞内のカルシウム、カリウムといった電解質のバランスを整える事でこむら返りを起こしにくくする作用があり、臨床でしばしば処方しますが、他のどの薬やサプリメントよりも良く効きます。

1日を通してこむら返りが生じてしまうような場合は、1日3包に分けて服用する事もありますが、例えば夜間にしか発症しないなどであれば、寝る前に1包のみの服用でも問題ありません。

芍薬甘草湯は病院で医師の診察を受けて処方してもらえるほか、薬局で購入する事も出来ます。

ただし人によっては芍薬甘草湯が使えない方もいますので、心配な方は病院を受診し、医師の判断をもらってから使用するほうが良いでしょう。

Ⅶ.それでも改善しない場合は病院を受診する

それでもこむら返りが改善しない場合は、病院を受診しましょう。

その理由として、こむら返りはある疾患が背景に存在していて、その症状として出現する事もあるからです。

例えば、

  • 糖尿病
  • 肝硬変
  • 腎不全
  • 甲状腺機能低下症
  • 神経根障害(腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなど)
  • 脳血管障害後遺症
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 多発性筋炎

などの疾患は、時にこむら返りを起こす事があります。

日常生活の工夫で治らないこむら返りは、このような疾患が原因である事がありますので、病院を受診し、診察や検査を受けてください。

受診する科としては「内科(一般内科)」が良いでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする