ジベル薔薇色粃糠疹は再発するのか

ジベル薔薇色粃糠疹(Pityriasis rosea Gibert)は、急に体幹に小さな赤い発疹がたくさん出現する疾患です。

突然、身体に小さなブツブツがたくさんできるため「何か重篤な疾患なのではないか」と心配される事が多いのですが、ジベル薔薇色粃糠疹は良性の疾患であり、特に何の治療をしなくても数か月で自然と治っていきます。もちろん後遺症などが残ることもありません。

このジベル薔薇色粃糠疹は一度経験したら忘れられないほど、身体にブツブツができますので、治癒後も身体に少しでも発疹が出ると「ジベル薔薇色粃糠疹が再発したのか!?」と心配されてしまう事が多くなります。

このジベル薔薇色粃糠疹は治った後、再発することはあるのでしょうか。また再発するような場合は何か気を付けるべき事はあるのでしょうか。

ここではジベル薔薇色粃糠疹の再発について考えていきます。

1.ジベル薔薇色粃糠疹とは

ジベル薔薇色粃糠疹の再発についてみていく前に、まずはジベル薔薇色粃糠疹という疾患についておさらいしましょう。

ジベル薔薇色粃糠疹の詳しい説明は、こちらの記事でも書いていますのでご覧下さい。

http://diseaseinformation-clinic.com/

ジベル薔薇色粃糠疹(Pityriasis rosea Gibert)は、体幹(主にお腹や背中)に小さな紅色の発疹がたくさん生じる疾患です。

突然にたくさんの赤いブツブツが出来るため皆さん心配されますが、基本的には良性の疾患であり、放置していれば自然と治っていきます。特段の治療も必要ありません。

ジベル薔薇色粃糠疹は10~30代といった若い方に発症しやすく、時期としては春や秋といった季節の変わり目に生じやすい傾向があります。

ジベル薔薇色粃糠疹の原因は、まだはっきりと解明されていないところもありますが、ヒトヘルペスウイルスというウイルスが感染する事で発症するのではないかと考えられています。

ヒトヘルペスウイルスにはたくさんの種類がありますが、

  • HHV-6(ヒトヘルペスウイルス6型)
  • HHV-7(ヒトヘルペスウイルス7型)

がジベル薔薇色粃糠疹を原因として有力視されています。

ジベル薔薇色粃糠疹の中には、発疹が出現する前に風邪っぽい症状が先行する事があり、ここからも何らかのウイルス感染が引き金になっているのではないかという考えもあります。

また、薬疹(お薬の副作用で発疹が出てしまう事)の中にはジベル薔薇色粃糠疹のような経過を取るものがあり、ここからアレルギーや自己免疫的な機序も原因として関係しているのではないかともいわれています。

ちなみにジベル薔薇色粃糠疹の原因が「ウイルス感染」だと説明すると、「他の人にうつってしまうのではないか」と配される方もいらっしゃいます。

確かにウイルス感染症の中には人にうつるものも多くありますが、ジベル薔薇色粃糠疹は人から人に感染する事はないと言われています。

2.ジベル薔薇色粃糠疹は再発しやすいのか

ジベル薔薇色粃糠疹は再発しやすい疾患なのでしょうか。また再発する事はあるのでしょうか。

ジベル薔薇色粃糠疹は、その原因がまだすべて解明されていないため、再発するかどうかに関しても確実な答えというのは言う事ができません。

しかし少なくとも臨床的な印象としては、一度発症したら再発する事は稀だと言えます。再発する例というのは、滅多に効きません。

ジベル薔薇色粃糠疹は、ウイルス感染が原因だと考えられています。そしてもし本当にジベル薔薇色粃糠疹の原因がウイルス感染だとすると、一度そのウイルスに感染すると身体は「抗体」という、そのウイルスをやっつける物質を作ります。

二度目にウイルスが体内に侵入してきた時は、抗体があるため、滅多な事では感染しないのです。

ただし絶対に再発しないとは言えません。

前述したように、ジベル薔薇色粃糠疹はアレルギーや自己免疫的な機序も原因として関係しているのではないかと推測されており、このような機序も原因であった場合、これは再発の可能性がありえます。

結論から言うと、再発するものかどうか確実な答えはまだ分からないが、臨床的には再発は珍しい、というのが現時点での答えになります。

3.ジベル薔薇色粃糠疹の再発が疑われた時は

ジベル薔薇色粃糠疹は基本的には再発は珍しい疾患です。

しかし一度ジベル薔薇色粃糠疹を経験した方で、また身体にそれっぽい発疹が生じると「再発かな?」と心配になってしまうものです。

このような場合は、どう対処すればよいでしょうか。

まず思い出して頂きたいのは、ジベル薔薇色粃糠疹は基本的に予後良好な疾患で、放置していても自然に治癒するものだという事です。そのため、その発疹が仮にジベル薔薇色粃糠疹であってもこんなに心配する必要はありません。

むしろジベル薔薇色粃糠疹以外の、放置すべきではない発疹であった場合の方が困ります。

そのため覚えのない発疹が出現した場合には、早めに皮膚科を受診し、専門家に診断してもらう事が大切です。

「どうせまたジベル薔薇色粃糠疹だろう」
「前回も放っておいて良いって言われたし、放っておこう」

と安易に判断してしまい、それがジベル薔薇色粃糠疹ではなく治療が必要な皮膚疾患であった場合は大変です。

ジベル薔薇色粃糠疹かどうかは、皮膚科医の診察を受けないと確実に判断する事はできませんが、ジベル薔薇色粃糠疹の特徴からある程度推測する事は出来ます。

典型的なジベル薔薇色粃糠疹の経過としては、まず先行症状が認められます。先行症状としては、感冒症状(風邪っぽい症状)が出たり、「ヘラルドパッチ」と呼ばれる発疹がしゅつげんする事があります。

ヘラルドパッチはジベル薔薇色粃糠疹の方の60~70%に認められる先行症状です。体幹に生じる楕円形の紅い発疹で、2~5cmほどと比較的大きく、発疹の周辺は鱗屑(皮膚表面が剥がれ落ちている状態)を認め、発疹の中心部はやや退色して色が薄くなっているのが特徴です。

「なんだろう、この発疹?」と思っていると、そこから1週間ほどして、今度は急に体幹に小さな紅い発疹がたくさんできます。

ジベル薔薇色粃糠疹の発疹の最大の特徴は、「皮膚のしわに沿って発疹が出現する」という点です。このような特徴から、特に背中にできるとまるでクリスマスツリーのような像になる事が知られています。

このような傾向が認められる場合はジベル薔薇色粃糠疹の再発である可能性が高くなります。

しかし基本的に再発は珍しい事であるため、安易に再発だと判断せず、皮膚科を受診して皮膚科医に正しく診断してもらうようにしましょう。

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