インフルエンザウイルスの型とそれぞれの特徴について

毎年、冬になるとインフルエンザウイルスの流行が話題に上がります。

ニュースでも取り上げられますが、

「今年はA型インフルエンザが・・・」
「香港型が・・・」
「H1N1型が・・・」

などと難しい用語で説明されており、「なんだかよく分からない」と感じられる方も多いのではないでしょうか。

一口に「インフルエンザ」と言っても、実はその種類はたくさんあります。そして種類によって経過や症状にも違いがあります。

このコラムではインフルエンザの「型」について詳しく紹介していきます。

1.大きくはA型、B型、C型に分かれる

まずインフルエンザウイルスを大きなくくりで分類すると、

  • A型インフルエンザウイルス
  • B型インフルエンザウイルス
  • C型インフルエンザウイルス

の3つに分かれます。

同じ「インフルエンザウイルス感染症」でも、感染する型によって症状や経過が異なります。

このうち話題になるのは主に「A型」と「B型」で、C型はほとんど問題となる事はありません。

それぞれの型について、その特徴を紹介します。

Ⅰ.A型インフルエンザ

A型インフルエンザは最も多いタイプのインフルエンザウイルスです。

A型の特徴として、

  • 感染力が強い
  • 高熱(38度以上)、咽頭痛、関節痛などが生じる
  • ヒト以外の動物にも感染するため世界的に流行しやすい
  • 変異しやすく、複数の亜型がある
  • 冬の初め(1~2月ごろ)に流行する事が多い

などが挙げられます。

A型は感染力が強く、ヒト以外の動物も介して感染する事もあります。また変異によって昨年まで有効であったワクチンが効かなくなってしまうといった特徴もあるため、非常に流行しやすい型になります。

世界的大流行(パンデミック)も起きやすく、2009年に話題となった「新型インフルエンザ」もこのA型になります。

症状としては、

  • 高熱(38度以上)
  • 咽頭痛(喉の痛み)
  • 関節痛(ふしぶしの痛み)

が3大症状です。冬の初めに流行し、流行日の中央値は1月30日と報告されています。

Ⅱ.B型インフルエンザ

B型インフルエンザは、A型ほど流行はしないものの数年おきに流行するタイプのインフルエンザウイルスです。

B型の特徴として、

  • 感染力が強い
  • 高齢者では熱は出ない事もある
  • 消化器症状(腹痛、下痢など)が生じることがある
  • ヒト以外には感染しない
  • 冬の終わり(2~3月ごろ)に流行する事が多い
  • A型よりも治療に時間がかかる事が多い

などが挙げられます。

A型ほど激しい症状は出ないためインフルエンザだと気付かれない事もあり、消化器症状が主体となる事もあるため、胃腸炎と診断されてしまう事もあります。

またA型より治りにくく、治癒に少し時間がかかります。冬の終わりに流行し、流行日の中央値は2月28日と報告されています。

Ⅲ.C型インフルエンザ

C型は感染力が弱く、また一度感染すれば免疫ができるため、大きな問題となる事はほとんどありません。

主にまだ免疫が出来ていない小さな子供が感染しますが、普通の風邪と見分けが付きにくい程度であり、大抵はC型インフルエンザであった事に気付かずに治癒してしまいます。

2.A型インフルエンザについて

インフルエンザウイルスの中で、もっともメジャーなのがA型になります。そしてA型インフルエンザの中にもたくさんの型があり、これらはそれぞれ「亜型」と呼ばれます。

インフルエンザウイルスはウイルスの表面に、「ヘマグルチニン(HA)」と「ノイラミニダーゼ(NA)」という抗原を持っており、この抗原の種類によって亜型は分類されています。

ヘマグルチニンは現時点で16種類の亜型が確認されています。またノイラミニダーゼは現時点で9種類の亜型が確認されています。

このヘマグルチニンとノイラミニダーゼの組み合わせで亜型は分けられます。

例えば、最近流行しているA型インフルエンザには、

  • H1N1
  • H3N2

などがありますが、この「H〇N〇」というのは、ヘマグルチニンとノイラミニダーゼの型を表しているのです。

また最初に流行した地域を型名にして呼ぶこともあります。例えば、H1N1は「ソ連型」とも呼ばれています。またH3N2は「香港型」とも呼ばれています。

毎年作られるインフルエンザワクチンは、亜型が異なると効きません。そのため、「今年はH1N1型が流行りそうだ」と予測が立てられると、その亜型に合わせたワクチンが作られるのです。

「今年の予防接種は当たった」「今年ははずれだった」という話題が上がりますが、これはこの亜型の対して作られたワクチンが実際の流行と合っていたかどうかという事になります。

また亜型が同じでもA型は変異してしまう事があります。変異してしまうと、亜型が同じでもワクチンは効かなくなります。

例えば、2008年はH1N1(ソ連型)が流行しましたが、その翌年に流行した新型インフルエンザもH1N1です。2009年のH1N1インフルエンザは、H1N1pdm09(2009年にPandemic(世界的流行した)という意味)と命名されており、2008年のH1N1に対するワクチンでは効きません。

3.B型インフルエンザ

B型インフルエンザは、

  • ビクトリア系統
  • 山形系統

の2種類に分かれます。

A型と比べると遺伝子的に安定しているため、変異しにくいという特徴があります。そのため一度感染したら免疫が長く保たれ、再感染しにくい傾向にあります。

4.インフルエンザ菌とインフルエンザウイルスは全くの別物

毎年冬に流行するインフルエンザは「インフルエンザウイルス」ですが、これとは別に「インフルエンザ菌」というものも存在します。

インフルエンザ菌は主に呼吸器系に感染し、肺炎などを引き起こします。インフルエンザウイルスと名前が似ていますが、インフルエンザ菌とインフルエンザウイルスはただ名前が同じであるだけで種類は全く異なり、全くの別ものになります。

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