食物アレルギーはどのような原因で生じるのか。原因となる食べ物は?

食物アレルギーは、ある特定の食べ物を食べる事でアレルギー反応が生じてしまう疾患です。

「エビやカニを食べると顔が腫れる」
「卵を食べるとじんましんが出る」

など、特定の食べ物を体質的に受け付けない方がいらっしゃいますが、これが食物アレルギーです。

この食物アレルギーはどのような原因によって生じるのでしょうか。また食物アレルギーを起こす食べ物はどのようなものが多いのでしょうか。

ここでは食物アレルギーが生じる原因について紹介します。

1.食物アレルギーとは

食物アレルギーの原因についてお話する前に、まず食物アレルギーがどのような疾患なのかを簡単に説明させていただきます。

食物アレルギーとは、その名の通り「ある食べ物を食べるとアレルギー反応が生じてしまう」疾患です。

ではアレルギー反応とは何でしょうか。「アレルギー」という言葉は日常的によく使いますが、この「アレルギー」が一体どのような状態なのかはあまり良く分かっていない方も多いのではないでしょうか。

アレルギーとは、私たちの身体の防御システム(免疫)が誤作動をしてしまい、本来であれば攻撃する必要のない物質を攻撃してしまう事です。

本来、免疫は私たちにとって有害な物を攻撃するように出来ています。身体の中にばい菌が入ってきたら、免疫はそれを感知し、ばい菌を攻撃します。ばい菌が身体を破壊する前に、免疫がばい菌をやっつけてくれるため、免疫というのは非常に大切な身体の働きになります。

この反応が何らかの原因で誤作動してしまうのがアレルギーです。本来であれば身体に有害でないもの、例えば食べ物とか花粉とかお薬とかを免疫が「有害な物質が入ってきた!」と勘違いして、これらの物質を攻撃してしまうのがアレルギー反応で、これによって、蕁麻疹やかゆみ、熱、腹痛、鼻水といった様々な全身症状が生じてしまいます。

このうち、特定の食べ物を免疫が「有害な物質だ!」と勘違いしてしまうのが、食物アレルギーです。

食物アレルギーが発症すると、特定の食べ物を摂取すると免疫がその食べ物を攻撃してしまうため、全身に様々な症状が生じるようになります。

2.食物アレルギーの原因物質

どのような食べ物が食物アレルギーを起こしやすいのでしょうか。

あらゆる食べ物が食物アレルギーの原因となりえますが、特に頻度が多い食べ物に、

  • 牛乳
  • 小麦
  • 果物
  • ソバ
  • エビ、カニなどの甲殻類
  • ピーナッツ
  • 大豆
  • 野菜

などが挙げられます。

年代別にみると、

  • 乳幼児:卵、牛乳、小麦
  • 学童期:エビ、ソバ
  • 成人:果物、魚

が多いと報告されています。

3.食物アレルギーが発症する原因

食物アレルギーはどのような原因によって発症してしまうのでしょうか。

実は食物アレルギーもいくつかのタイプに分類され、それぞれによって原因は異なります。ここではそれぞれのタイプの簡単な説明と、その原因について紹介していきます。

Ⅰ.新生児・乳児消化管アレルギー

「新生児-乳児食物蛋白誘発胃腸炎」とも呼ばれています。

新生児~乳児期といった赤ちゃんに生じる食物アレルギーです。

様々な食物が原因となりますが、特に多いのが育児用粉乳(いわゆる粉ミルク)になります。また母乳で生じる事もありますし、離乳食で生じる事もあります。

典型的な発症例としては、特定の食べ物を与え始めてから数日~1週間後から嘔吐・下痢といった胃腸炎のような消化器症状が始まります。中には、胃腸症状のみならず全体的にぐったりしてしまう事もあり、イレウス(消化管が動かなくなってしまう事)や発達障害を起こす事もあります。

原因となる食べ物を取り除けば症状は速やかに消失しますので、原因が分かれば対処法は難しくありません。

新生児・乳児消化管アレルギーの原因ははっきりとは分かっていませんが、細胞性免疫という免疫システムによって生じると考えられています。このような機序で生じるアレルギーはⅣ型アレルギーと呼ばれます。

Ⅱ.即時型食物アレルギー

もっともよく知られている食物アレルギーで、

「エビやカニを食べると顔が腫れる」
「卵を食べるとじんましんが出る」

といった特定の食べ物を食べるとすぐに身体に症状が出る食物アレルギーです。ほとんどのケースでは食べ物摂取後2時間以内に症状が出現します。

症状は様々ですが、

  • 皮膚の発疹や紅斑・かゆみ
  • 喉の腫れた感じ
  • 腹痛、嘔吐

などが多く認められます。

乳幼児では卵、牛乳、そば、魚、ビーナッツなどが原因となり、自然と改善する事が多く、学童期以降では甲殻類や魚、小麦、果物などが原因として多くなり、自然と改善しにくくなります。

即時型食物アレルギーはⅠ型アレルギーと呼ばれる機序によって発症します。これは特定の食べ物に対する抗体が作られ、この抗体と食べ物が結合し、更に肥満細胞や白血球と結合する事で、様々な生理活性物質が放出され、様々な症状が生じる反応です。

Ⅲ.食物依存性運動誘発アナフィラキシー

ある特定の食べ物を食べるだけならアレルギー反応は起きないのですが、ある食べ物を食べた後に激しい運動をすると、アレルギー反応が生じる疾患です。

学童期に多く、典型例としては昼食後の体育の授業で突然身体に蕁麻疹が出たり気管が狭くなって息苦しくなったりします。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因もはっきりとは解明されていませんが、運動によってアレルギー反応が生じる閾値が下がるために発症するのではないかと考えられています。

Ⅳ.口腔アレルギー症候群

口腔アレルギー症候群は主に果物・野菜を摂取した際に口周辺にのみアレルギー反応が生じる疾患です。

口の中が腫れぼったくなったり、唇が晴れたり、口の周囲に発疹が出たりします。花粉症と合併する事が多く、果物や野菜に含まれるPR-10、プロフィリン、LTPといった物質に身体の免疫が反応してアレルギー反応が生じると考えられています。

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