顔の乾燥を防ごう!医師が教える最良の市販保湿剤ランキング

「顔の乾燥に一番良い保湿剤ってどれなの?」
「乾燥を防いで綺麗な顔を保つには、やっぱり高額な保湿剤が必要なの?」

顔は目立つ部位ですから、肌を綺麗な状態に保ちたいと考える方は多いでしょう。そのため「どの保湿剤が良いのか」に関心を持っている方は多く、顔の皮膚を良い状態に保てるなら高いお金を払っても良いと考える方も多くいらっしゃいます。

確かに肌を良い状態に保つために、「潤わせる事(保湿する事)」はとても重要です。

十分に潤っている肌はバリア機能がしっかりと発揮されるため、肌荒れやシワが生じにくくなります。反対に乾燥していると肌は荒れやすくなり、シワも生じやすくなります。

世の中には顔の乾燥を防ぐための保湿剤が数多く市販されています。しかし医師の視点から見ると、効果に疑問を感じるもの、含まれている成分の割に高額すぎるものも少なくありません。

何となく「ネットで評判が良いから」「高いから効きそう」という理由だけで、効果の根拠も不確かな保湿剤を高いお金を払って買っていないでしょうか。実は顔の乾燥を防ぐために高額な保湿剤など必要ありません。

ここでは医師の視点から、顔の乾燥を防ぐために有効な保湿剤を紹介させていただきます。

1.顔の乾燥を防ぐ保湿剤の条件

顔の乾燥を防ぐために保湿剤を選ぶ時、みなさんが重視するポイントはどこでしょうか。

  • 口コミで評価が高い
  • 高級そう
  • 色々な成分が入っている
  • モデルやタレントが宣伝している

このような視点から「この保湿剤は効きそうだ」と購入してしまう方は多いのではないでしょうか。大切なお顔を守るためですから、高いお金を払うのも仕方ないと考え数千円、中には数万円もする保湿剤を購入している方もいらっしゃいます。

しかし医師の視点から言わせて頂くと、みなさん皮膚を保湿するために高額なものを使いすぎです。「顔の肌がきれいになります」というと高いお金を出してでも欲しがる方が多いため、化粧品会社は高額な保湿剤を販売しますが、皮膚を保湿するために本当にそんなに高額な保湿剤が必要なのでしょうか。

「たくさんの成分が配合されています」
「当社で独自に配合・抽出した貴重な成分が入っています」

高額な保湿剤にはこのようなうたい文句が並んでいますが、これらは本当に必要でしょうか。「皮膚を保湿する」という目的を達成するために効果のよく分からないような成分をたくさん配合させる必要なんてありません。

また入っているのは確かに貴重な成分なのかもしれませんが、それが保湿力が極めて優れているかどうかは希少性とは全く別問題です。

余計な作用を持つ成分をたくさん配合するよりも、希少な成分を配合するよりも、顔を保湿するためにもっとも重要な要素を満たす成分だけに絞った保湿剤を選ぶべきではないでしょうか。

病院にも皮膚の乾燥で悩まれる方がいらっしゃる事があります。その際に私が顔の乾燥を防ぐための保湿剤を処方する際に重視しているポイントは次の3つです。

  • 保湿力が高い事
  • 刺激性が低い事
  • べたつきや色合いが気にならない事

まず保湿するために塗るわけですから、一番重視すべきは当然「保湿力」です。余計な作用がたくさんあってその分だけ保湿力が犠牲になるよりも、保湿力が高い事を第一に考えなくてはいけません。

次に顔に塗るわけですから、刺激性が低い事も重視すべきでしょう。

顔の皮膚はとても薄いという特徴があります。そのため、同じお薬を塗った場合でも、身体と比べて顔ではその吸収率は10倍以上になると言われています。皮膚が薄い分、薬効成分が吸収されやすいのです。

刺激性の高いお薬を顔に塗ってしまうと、身体に塗った場合と比べて副作用が生じやすくなります。そのため顔という敏感な部位に塗るお薬は刺激性が低い事も大切なのです。

最後に使い心地や見た目です。顔というのは常に皮膚が露出しており、人から見られる部位です。そのため、あまりにべたついたり、色がついて目立ってしまう外用剤だと塗るのに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。

使い心地や見た目は「保湿力の高さ」「刺激性の低さ」の2つに比べれば優先順位は落ちますが、ある程度は重視したいポイントになります。

顔の乾燥を防ぐための保湿剤を選ぶ際は、この3つを出来る限り満たしたものを選ぶ事が重要です。

逆に言えばこの3つを満たしている保湿剤であれば十分であり、「他にもこんな作用が期待できますよ」と余計な効能をたくさん謳っている事は、大して重要ではないのです。

2.顔の乾燥に適した保湿剤一覧

顔の乾燥を防ぐ保湿剤として適しているものは、

  • 保湿力が高い事
  • 刺激性が低い事
  • べたつきや色合いが気にならない事

の3つを満たしているものです。

ではこの3つを満たしている有効成分のうち、市販薬として購入できるものを紹介させて頂きます。

1位.ヘパリン類似物質

ヘパリン類似物質は保湿作用に極めて優れた成分です。

構造的にみると硫酸基、カルボキシル基、水酸基などの多くの親水基(水と結合しやすい基)を持っているため、水分を保持するはたらきに優れるのです。

ヘパリン類似物質はその保湿力の高さから「ヒルドイド」という商品名で病院でも処方されており、医学的にもその保湿力はしっかりと確認されています。

また刺激性も極めて低く、副作用もほとんど見られません。顔を含め、眼球を除いたほぼ全身に用いる事が可能です。

使用感もおおむね良好です。

外用剤は「軟膏」「クリーム」「ローション」などの剤型があります。

軟膏は油性の基剤が配合されており、油を含むため保湿力に優れるのですがべたつきが強く伸びも良くないため使い心地はあまりよくありません。

反対にローションは水性の基剤が配合されています。蒸発しやすいため保湿力は劣りますが、サラサラとべたつきは少なく伸びも良く使い心地は良いのが特徴です。

クリームは軟膏とローションの間の特徴を持ちます。

市販のヘパリン類似物質はクリームかローションである事が多く、べたつきはあまり気になりません。

外用剤の色は白色で、伸ばせば顔に塗ってもほとんど気になりません。

このようにヘパリン類似物質は、顔の乾燥を保湿する際に重視すべき3つの条件をしっかり満たしているため、私は顔の保湿を希望される時にまずヘパリン類似物質をお勧めしています。

その他ヘパリン類似物質の特徴として、

  • 血行を改善する
  • 傷跡を綺麗にする

といった作用も多少期待できます。

ヘパリン類似物質はその名の通り「ヘパリン」に似た物質なのですが、このヘパリンというのは医療でも使われている抗凝固剤(血栓を溶かすお薬)です。ヘパリン類似物質もヘパリンと似た作用を持つため血の塊を溶かす作用があり、これによって血行を改善させてくれます。

これは血流を改善するというメリットにもなりますが、一方で出血している部位に塗ると出血が止まりにくくなるリスクもあります。出血部位に塗るという事はまずしないとは思いますが、この点は一応注意しましょう。

またヘパリン類似物質は皮膚の線維芽細胞の増殖を抑制する事で、傷痕の盛り上がり(ケロイド)を出来にくくする作用があり、これによって傷跡を綺麗にするはたらきも多少ですが期待できます。

【ヘパリン類似物質】

保湿力の高さ:★★★★★
刺激性の低さ:★★★★★
使い心地  :★★★★☆

・保湿力に優れて刺激性も低い、バランスの取れた保湿剤
・血行を改善する作用があるため出血部位には不適
・傷跡を綺麗にする作用が多少ある

ちなみにヘパリン類似物質を含む市販薬には、次のようなものがあります。

HPクリーム

剤型はクリームで、ヘパリン類似物質を0.3%配合しています(病院で処方されるヘパリン類似物質と同じ濃度です)。保湿力を重視したい場合はクリームを選びましょう。

ヘパソフト

剤型はローションで、ヘパリン類似物質を0.3%配合しています(病院で処方されるヘパリン類似物質と同じ濃度です)。べたつきの少なさといった使い心地を重視したい場合はローション剤が良いでしょう。

2位.ワセリン

ワセリンの作用は、「油」をイメージして頂くと分かりやすいかもしれません。実際にワセリンは石油から精製された成分になります。

油は水をはじきます。ヘパリン類似物質はその成分自体が水分を保持する作用を持ちましたが、ワセリンは皮膚に塗る事で水分を閉じ込め、蒸発しないようにする事で保湿するという作用になります。

ワセリンは保湿力に非常に優れます。

また様々な外用剤の基剤として使われている事もあり、安全性が高く刺激性もほとんどありません。

価格が非常に安いのも大きなメリットです。

欠点としては「油」ですのでべたつきが挙げられます。顔に塗ると「ベタベタして気持ち悪い」と感じられる方もいらっしゃいますので、そのような方にはあまり適さないかもしれません。

【ワセリン】

保湿力の高さ:★★★★★
刺激性の低さ:★★★★★
使い心地  :★★☆☆☆

・保湿力に優れて刺激的も極めて低い
・油性でありべたつきが強く使い心地は良くない

ワセリンを含む市販薬には、次のようなものがあります。

Ⅰ.ワセリンHG

大量に使う方にはこのようにプラスチック容器に入っているものが使いやすいでしょう。

ベビーワセリン

ベビーワセリンは、小児でも使えるようワセリン以外の成分を含まない100%ワセリンです。

別に赤ちゃんしか使えないわけではなく大人でももちろん使えます。チューブの方が使いやすいという方はこのような剤型が良いでしょう。

3位.尿素

尿素も保湿力に優れる成分で、皮膚の表面にある「角質層」という部位に水分を保持する作用を持ちます。

尿素は保湿作用以外にも「化学的ピーリング作用」が少しあります。これは皮膚表面にある古い角質を溶かす作用の事です。

古い皮膚を取り除いて新しい皮膚の新生を促してくれる作用ですので基本的には良い作用なのですが、「皮膚を溶かす」という作用のため刺激性が多少あります。

顔に使えないわけではありませんが、傷があるとその部位を刺激してしまう事がありますので、お顔に傷がある状態の時はあまり適していません。

べたつきや色合いも問題ありません。

私は刺激性の点からまずはヘパリン類似物質から勧めますが、尿素の刺激性は特段強いというわけではなく、正常の皮膚であればほとんど問題になりません。これによって皮膚が大きく荒れてしまう事はほとんど経験しませんのでそこまで慎重になる必要はありません。

【尿素】

保湿力の高さ:★★★★☆
刺激性の低さ:★★★☆☆
使い心地  :★★★★☆

・保湿力に優れるが化学的ピーリング作用があり刺激性にやや注意
・刺激性は正常皮膚であればほぼ問題ないが、傷の部位には不適

尿素を含む市販薬には、次のようなものがあります。

尿素クリーム

尿素クリームは、10%の尿素を配合しています。これは病院で処方される尿素製剤(ウレパール、ケラチナミンなど)と同じ濃度で、しっかりと保湿するのに十分な濃度です。

4位.ビタミンA

ビタミンAはムコ多糖類という水分保持作用を持つ物質を増やす作用があります。

「ムコ多糖類」というと聞き慣れませんが、これは「ヒアルロン酸」や「コンドロイチン」の事です。

安全性も高いため、昔は保湿剤として利用されていましたが、最近は上記の成分が使われる事が多く、保湿剤としてはそこまで利用されていません。

その他、ビタミンAは皮膚細胞の細胞骨格に必要なケラチンの形成を抑制する事で、皮膚を柔らかくする作用もあり、ここから表皮が肥厚してしまっている疾患に用いられる事もあります。

注意点として妊婦さんがビタミンAを過剰に摂取すると、催奇形性がある事が知られています。皮膚に塗る場合は一般的な量であれば問題となる事はないはずですが、念のため妊婦さんは使用を避けておいた方が無難でしょう。

【ビタミンA】

保湿力の高さ:★★★☆☆
刺激性の低さ:★★★★☆
使い心地  :★★★★☆

・保湿力に優れるが化学的ピーリング作用があり刺激性にやや注意
・刺激性は正常皮膚であればほぼ問題ないが、傷の部位には不適

3.顔の乾燥を防ぐための効果的な保湿剤の使い方

顔の乾燥を防ぐために保湿剤はとても有効です。しかしどんなに優れた保湿剤でも、使い方を間違ってしまうと十分な効果は得られません。

保湿剤で最大限の効果を発揮するために知っておいて欲しい事を紹介します。

Ⅰ.入浴後に塗るのがベスト

保湿剤を塗るタイミングとしてもっとも効果的なのは「入浴後」になります。

これは入浴後の皮膚は、乾ききっておらず水分を多く含んでいるため、この状態で保湿剤を塗った方が、水分をお肌に閉じ込められるためです。

ただし水滴はしっかりとふき取らないといけません。水滴が残っていてこれが保湿剤と混ざってしまうと基剤のバランスが崩れてしまう可能性があります。

また皮膚が温かくなっているため、保湿剤の伸びもよくなり、皮膚にもなじみやすくなります。

このような条件を満たすためには、出来れば入浴後5分以内(最低でも20分以内)に保湿剤を塗布できる事が望ましいでしょう。

ちなみに1日複数回塗りたい場合は、ぬるま湯で洗顔した後に塗る事で、入浴後に近い効果を得る事が出来ます。

Ⅱ.量は1.5~2FTUが目安

保湿剤はどれくらいの量を塗ればいいのでしょうか。

たっぷりベタベタに塗った方がいいのか、それとも少し塗るだけで良いのでしょうか。

外用剤の量を測る目安として、「FTU(Finger Tip Unit)」という単位があります。

これは人差し指の先端から第一関節まで、チューブから保湿剤を出した量の事で、これを1FTUと表現します。

1FTUでおおよそ両手分の保湿剤の量だと考えるのが1つの目安です。

顔は両手よりやや広いため、1.5~2FTUが1つの目安になるでしょう。

また塗った後の様子として、

  • 保湿剤の油分よりもわずかに皮膚がてかる程度
  • ティッシュがついて落ちない程度

なども適切な量を塗れている目安と言われています。

4.顔の乾燥を防ぐ生活習慣

顔の乾燥を防ぐためにはもちろん保湿剤は有効です。

しかし適切な生活習慣をしていれば、そもそも皮膚はそんなに乾燥しないように私たちの身体は作られています。

顔の乾燥が強い時には、保湿剤に頼って終わりというだけでなく、生活習慣に問題はないかも見直すようにしましょう。

具体的には次のような生活習慣は改める必要があるでしょう。

Ⅰ.水分量が少ない

毎日十分量の水分を取っているでしょうか。

1日に必要な水分量というのは年齢や体重によっても異なってきますが、おおむね1,000~2,000ml程度になります。

もし水分摂取量が極端に少ない場合、顔の皮膚も水分不足となり乾燥してしまうでしょう。

この場合はまずは水分をしっかりと摂取する事が一番大切になります。

Ⅱ.顔を強く・何回も洗っている

顔をゴシゴシと強く洗ったり、過度に何回も洗うような場合も皮膚の乾燥の原因になります。

一見すると強く洗ったり、たくさん洗った方が皮膚はキレイになる気もしますが何故でしょうか。

顔を強く洗うと、顔の皮膚細胞が荒れてしまいます。すると皮膚の機能が弱まり、乾燥しやすくなってしまうのです。

また何回も洗っていると皮膚の表面を覆っている皮脂が取れてしまいます。皮脂は天然の保湿剤でワセリンと同じような役割をしますので、皮脂が過度に少なくなってしまうとやはり皮膚は乾燥してしまいます。

同様の理由であまりに熱すぎるお湯で洗うのも良くありません。

顔は、ぬるま湯で優しく洗いましょう。

Ⅲ.部屋が乾燥している

自分の周りの環境が乾燥していれば、皮膚の水分が取られやすくなり、皮膚も乾燥してしまいます。

特に冬は暖房器具を使うため、部屋はとりわけ乾燥しやすくなります。

暖房器具を使う場合は、

  • 加湿器を使う
  • 風呂の水をはって浴室の扉を開けておく
  • 濡れタオルを干しておく

など工夫して、部屋が乾燥しないようにしましょう。

身体が乾燥しないために必要な湿度として、40~60%程度を目指してください。

Ⅳ.睡眠不足、過労、ストレスなど

睡眠不足や過労、ストレスなどは自律神経のバランスを崩す事で、身体の水分保持のバランスを崩してしまう事があります。これによって顔の乾燥も認めやすくなってしまう事があります。

このような基本的な生活習慣を維持する事は顔の乾燥を防ぐためにも大切です。

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