前立腺肥大を予防するために有効な4つの習慣

男性には「前立腺(Prostate)」という臓器があります。

前立腺は膀胱の下にある栗くらいの大きさの臓器で、精液の一部となる前立腺液を分泌したりと主に男性機能に関係したはたらきを持っています。

この前立腺は、刺激を受ける事によって徐々に大きくなっていくため、年を重ねるほど健常者でも前立腺は肥大していきます。

前立腺が肥大すると、前立腺の中を通っている尿道(尿の通り道)を押しつぶしてしまう事があり、こうなると尿が出ずらくなってしまいます。

このように前立腺の肥大によって排尿障害(尿が出ずらくなる事)が生じると、「前立腺肥大症」と呼ばれます。

このように前立腺の肥大は、命に関わる重篤なものではないものの、生活への支障を来たす症状を引き起こす可能性があり、ここから出来る限り前立腺を肥大させないような生活をする事が望まれます。

では前立腺の肥大を予防するためにはどのような生活習慣を気を付ければいいのでしょうか。

ここでは前立腺肥大を予防するために有効な方法について紹介させて頂きます。

1.前立腺肥大が生じる原因

前立腺の肥大を予防するために、まずはどのような原因が前立腺の肥大を引き起こしているのかをみていきましょう。

前立腺を肥大させる原因が分かれば、それを避ける事で前立腺の肥大を予防する事が出来るようになります。

Ⅰ.加齢

前立腺は健常な人であっても、年を重ねれば重ねるほど大きくなっていくのが普通です。そのため「年を取る事(加齢)」は前立腺を肥大させる原因の1つとなります。

Ⅱ.遺伝

前立腺の肥大には、遺伝的な要素もある事が指摘されています。

親が前立腺肥大症である人とそうでない人では、前者の方が前立腺肥大症を発症する確率は高くなります。

また双子(双生児)の片方に前立腺肥大症が発症した場合、もう片方も前立腺肥大症を発症する確率は、一卵性双生児(双子間の遺伝子がほとんど同じ)の方が二卵性双生児(双子間の遺伝子が異なる)よりも前立腺肥大症を発症する率が高い事も分かっています。

Ⅲ.男性ホルモン

男性ホルモン(DHT:ジヒドロテストステロンなど)は、前立腺を刺激して前立腺細胞の増殖をうながす事が分かっています。

男性ホルモンは男性であれば誰でも分泌されるホルモンですので、その量をコントロールする事はできませんが、これが前立腺肥大の原因になっているのは確かです。

Ⅳ.前立腺の炎症

前立腺炎などによって前立腺が刺激を受けると、前立腺は肥大しやすい事が分かっています。

前立腺炎は細菌感染が原因で生じる事もありますし、物理的に前立腺が刺激される事でも生じます。

後者が生じるのは、

  • 長時間のデスクワーク
  • 長時間の運転
  • 便秘(便で膨らんだ腸管が前立腺を刺激するため)
  • 刺激物の摂取(刺激物によって腸管の運動が亢進し、前立腺を刺激するため)

など長時間座位でいる事で生じたり、

  • 寝不足
  • 疲労
  • 過度な飲酒

などの生活習慣によっても生じることもあります。

Ⅴ.合併症

元々の基礎疾患として、

  • 肥満
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 性機能障害

などがあると前立腺が肥大しやすくなります。

とは言ってもこれらの疾患が直接、前立腺の肥大を引き起こすわけではありません。これらの疾患に長期かかっていると前立腺が肥大しやすい環境が形成されてしまうのです。

例えば肥満や脂質異常症(高脂血症)は、皮下や臓器に脂肪が沈着してしまうことで全身に慢性的な軽い炎症が生じてしまう事が分かっています。この炎症は前立腺にも生じるため、炎症によって前立腺が刺激されます。そして刺激された前立腺は肥大してしまいます。

また糖尿病(2型)の方は、血液中の糖が多くなっているため、血液中の糖を下げるホルモンである「インスリン」の分泌量も多くなります。しかし過度なインスリンの分泌は、交感神経を活性化させてしまう事が知られています。

交感神経が活性化すると、膀胱の平滑筋を刺激しやすくなり、これによって前立腺も刺激され、前立腺の肥大が進行していきます。

性機能障害が生じると、身体は「精液をたくさん作らないと!」と頑張ろうとするため、前立腺液を作るために前立腺も刺激されます。前立腺が刺激されれば、肥大しやすくなってしまうのです。

このように前立腺を刺激するような基礎疾患があり、それに長期間罹患していると、前立腺肥大症は生じやすくなります。

2.前立腺の肥大を予防するためには

どのような原因によって前立腺が肥大するのかが分かると、それを予防するために有用な方法も見えてきます。

前立腺が肥大する原因のうち、自分の努力では変えられないものもあります。

例えば、

  • 年を取る事(加齢)
  • 遺伝
  • 男性ホルモンの分泌

などは自分がいくら努力しても逆らう事は出来ません。そのため、このような原因に対しての有効な予防策というのは難しいでしょう。

しかし、

  • 女性ホルモンを増やす生活をする
  • 前立腺を刺激しない生活を心がける
  • 前立腺を引き起こしやすい疾患にかからないようにする

といったところは、自分の努力で有用な予防策を取る事が出来ます。

では前立腺の肥大を予防するために有効な方法について考えていきましょう。

Ⅰ.女性ホルモン様の物質を摂取する

男性にとって、男性ホルモンが体内で分泌されてしまうのは仕方のないところがあります。

そのため「男性ホルモンの分泌量を減らそう」というのは困難です。

しかし食べ物の中には、女性ホルモン様のはたらきをする物質があります。女性ホルモン様の作用が増えれば、男性ホルモンの作用が相対的に抑えられるため、これは前立腺の肥大の予防になります。

女性ホルモン様の作用をする代表的な成分としては「ポリフェノール」があります。ボリフェノールにも様々な種類がありますが、特に「イソフラボン」が女性ホルモン様の作用を持ちます。

イソフラボンは、野菜や豆類などに多く含まれているため、これらの食品をバランスよく摂取する事は前立腺の肥大を抑える作用が期待できます。

Ⅱ.男性ホルモンのはたらきを抑える物質を摂取する

食品の中には男性ホルモンのはたらきを抑える作用を持つものもあります。

代表的な成分としては、「亜鉛」があります。

亜鉛は精液にも含まれている成分であり、性欲を適正に亢進させたり精液の量を増やす作用もあります。

亜鉛が足りないと精液が十分に作れなくなるため、身体は「精液を作れ!」と精巣や前立腺を刺激するようになります。そして前立腺が刺激されると肥大していってしまうのです。

このように亜鉛不足だと男性ホルモンのはたらきを抑えにくくなるほか、前立腺が刺激されやすくなるため前立腺が肥大しやすいのです。

亜鉛を含む代表的な食べ物としては、

  • カキ(牡蠣)
  • カニ、貝
  • レバー
  • 肉(牛肉)

などが挙げられます。

またビタミンB6が亜鉛を吸収するのに必要であるため、ビタミンB6の摂取も間接的に前立腺の肥大を抑えてくれます。

ビタミンB6は、

  • 魚(赤身)
  • ピーナッツ

などに多く含まれています

Ⅲ.前立腺を刺激しない生活を

前立腺を刺激しないような生活を心がけるようにしましょう。

例えば、尿道や膀胱・腎臓にばい菌が侵入してしまうような「尿路感染症」を発症すると、これらの臓器の近くにある前立腺にも炎症が波及してしまう事があります。

尿路感染症は摂取する水分量が少ないとかかりやすいため、十分な水分を日々摂取する事は予防に大切です。また免疫力(ばい菌と闘う力)が低下すると尿路感染症にかかりやすくなりますから、しっかりと栄養を取る・睡眠や休息を取るといった生活習慣も大切です。

長時間座っている姿勢を取り続けていると、前立腺が物理的に刺激されやすいため、長時間のデスクワークや運転などをする職業の方は、こまめに休憩をする事も有効でしょう。

また腸管が膨張したり激しく動くと、前立腺に刺激が波及する事があります。便秘で腸管が膨らんでしまったり、刺激物を摂取して腸管の動きが亢進したりすると、前立腺に刺激が生じやすくなりますので、便秘をしないような生活習慣や、食生活で刺激物を控えるという事も意味があります。

過度な飲酒は前立腺への血流量を増やし、前立腺をうっ血させてしまいやすいため、飲酒量も適正にすると前立腺の肥大を予防する事が出来ます。

これら1つ1つの効果は大きくはありませんが、このような生活習慣の改善を意識し続ける事で、前立腺の肥大を抑える事が出来ます。

Ⅳ.前立腺を肥大させる疾患にかからないようにする

  • 肥満
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 性機能障害

などがあると前立腺は肥大しやすくなる事をお話しました。

反対に言えば、これらの疾患にかからないように気を付ければ、前立腺も肥大しにくくなるという事です。

これらの多くは日々の食生活や運動習慣が原因となっています。

そのため、ありきたりな答えになってしまいますが、規則正しくバランスの良い食事、適度な運動が間接的に前立腺の肥大を予防するのにも有効だという事です。

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